皮膚
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ステロイド内服療法が奏功した色素失調症の1例
橋本 公二吉川 邦彦
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1992 年 34 巻 2 号 p. 206-211

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抄録

先天性色素失調症の生後16日の女児で, 頭頂部に毛髪が疏な部分が認められたが, 生後23日目に同部に水疱が多発し, 瘢痕性脱毛となる恐れがあったため短期間のステロイド内服療法を行った。ベータメサゾン0.5mg/日を2日間, 続いて0.25mg/日を2日間投与した所, 頭頂部の水疱新生が止ると同時に, 既に存在した水疱も著明に乾燥した。また, 躯幹, 四肢の水疱, 膿疱も同様に軽快した。生後184日目に, 再び頭頂部に水疱新生が認められたため, 同様のベータメサゾン内服療法を行った。生後3年6か月後では, 毛髪が疏な部分の大きさは相対的には拡大しておらず, ステロイド内服療法が奏功したと考えられた。なお, 副作用は特に認められなかった。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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