組織学的にも典型像を呈した陰部外の硬化性萎縮性苔癬 (LSA) 3例を報告した。症例1は70歳, 女性で背, 胸, 腹, 太腿の広範囲に萎縮性皮疹を認めたが, 外陰には認めなかった。糖尿病を合併しており, 経口糖尿病薬とテストステロン軟膏, ステロイド軟膏外用で若干の改善をみた。症例2は48歳, 女性で両手背, 手指背に白色萎縮性局面を認めた。症例3は22歳, 女性で項部, 頸部に白色萎縮性硬化局面を認めたが外陰には認めなかった。抗核抗体40倍陽性。IgE高値でアレルギー性鼻炎の合併あり。初診の8カ月後頃から胸背部にもLSAと考えられる皮疹が新生してきている。LSAと限局性強皮症との異同を示唆する報告はあるが, 両者ともなお病因は不明であり, その解明は今後の課題である。