抄録
9年前より目の異物感, 口渇, 下肢の紫斑, 4ヵ月前より胸痛, 胸部異常陰影がみられたシェーグレン症候群, 高γグロブリン血症性紫斑, B細胞性悪性リンパ腫の70歳女性例を報告した。紫斑部では組織学的に壊死性血管炎およびlymphocytic vasculitis, 蛍光抗体直接法で乳頭の血管壁にIgA, C3の沈着, 血清の超遠心分でintermediate complex, 胸水中の細胞で免疫グロブリン遺伝子JH鎖の再構成みとめた。CVP療法 (シクロボスファミド, ビンクリスチン, プレドニゾロン) 4クール後, 血清γグロブリン値は正常化し, 紫斑の出現をみなくなった。