皮膚
Online ISSN : 1884-541X
Print ISSN : 0018-1390
ISSN-L : 0018-1390
Rheumatoid neutrophilic dermatitis の1例
山田 徹太郎伊藤 往子
著者情報
キーワード: エトレチナート
ジャーナル フリー

1996 年 38 巻 1 号 p. 55-59

詳細
抄録

65歳, 女性。初診の20年前より慢性関節リウマチに罹患し, プレドニゾロン20-30mgの投与を受けていた。2年前より, 足背に粟粒大紅色丘疹出現。前医で持久性隆起性紅斑と診断され, DDS, ヨードカリ等で治療を受けていた。2カ月前より両側の足底・手掌・指趾腹に環状-不完全環状の膿疱様皮疹, 肘頭・膝蓋部・殿部に膿疱様皮疹を載せた暗褐色扁平隆起性局面が多発するようになり, 急速に増悪して疼痛激しく歩行不能となった。病理組織所見で表皮は概ね正常。表皮直下から脂肪組織にまでいたる好中球を主とする密な細胞集塊が認めれる。血管炎の所見は全く認められない。エトレチナートが非常に有効で, 膿疱様皮疹の新生は止み, 陳旧性皮疹も徐々に消退した。コルヒチンは過敏症状が出現したため, 使用できなかった。

著者関連情報
© 日本皮膚科学会大阪地方会
前の記事 次の記事
feedback
Top