皮膚
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猫から感染したと思われるM.canisによる顔面白癬の1例
泉谷 敦子中川 眞知子手塚 正比留間 政太郎
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キーワード: 体部白癬
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1998 年 40 巻 3 号 p. 288-291

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抄録

8歳, 女児。野良仔猫を自宅の屋内で飼育し一緒に寝ていた。猫の脱毛に気付き内服治療を開始した。猫の治療中から患者の左頬部, 項部に鱗屑を伴う環状の紅斑を認めた。鱗屑の直接鏡検で菌要素を認め, Microsporum canisを分離した。家族内発症はない。塩酸テルビナフェン1日125mgの内服を開始し, 2週間後に項部の皮疹は消失した。ヘアブラシ法では, 初診後4週間時点の猫の毛からMicrosporumcanisを2コロニーしか認めなかったが, 治療中の猫から感染した体部白癬と診断した。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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