1998 年 40 巻 6 号 p. 586-589
48歳, 女性の著明な脊柱側弯症をきたしたレックリングハウゼン病の1例を報告した。幼少時からカフェオレ斑を認め, 約5年前より身長の短縮と歩行障害をきたし, また呼吸障害も生じたため, 当科へ紹介となった。X線検査にて脊椎の著明な側弯とそれに伴う胸郭の変形がみられ, 呼吸機能検査では著明な拘束性障害を呈した。また骨生検, 臨床検査では骨軟化症の所見が得られた。レックリングハウゼン病に伴う呼吸障害としては肺実質の線維化や腫瘍の合併の報告はみられるが, 胸郭の変形による著明な拘束性障害を呈することは比較的稀であると思われた。