皮膚
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イトラコナゾール (Itraconazole: ITCZ) 低用量 (1日200mg) 間欠投与法時の爪内濃度の検討とITCZによる爪白癬の治
東 禹彦久米 昭廣上田 清隆藤本 美穂荻原 俊治
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1999 年 41 巻 5 号 p. 621-625

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抄録

ITCZ1日200mgを爪白癬患者に1週間連日投与し, 3週間休薬する低用量間欠投与法を3~6回行い, 爪内のITCZ濃度を計測した。また, 同時に治療開始後52週目まで観察を行って治療効果を検討した。ITCZの爪内濃度は症例によるばらつきが大きかったが, 趾爪では平均すると12週後には107ng/gとなり, 白癬菌に対するITCZのMIC78ng/mlを越える濃度を示し, 投与中止後も16週間目まで検出された。全ての罹患爪が正常化したものを治癒とすると, 4回間欠投与を行い指爪では6例中4例 (67%) が治癒し, 趾爪では12例中5例 (42%) が治癒した。爪内ITCZ濃度が十分に高くならなかった症例では治癒しなかった。指爪の爪白癬では1日ITCZ200mgの間欠投与4回でも良いが, 趾爪の爪白癬では間欠投与4回では不十分で, 6回ぐらい行うことが必要と思われた。(皮膚, 41: 621-625, 1999)

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