皮膚
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インターフェロン-β局注療法にて長期経過観察中の足底悪性黒色腫の1例
藤井 紀和出口 英樹尾本 光祥杉浦 久嗣上原 正巳加地 明
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2000 年 42 巻 6 号 p. 581-585

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抄録

71歳, 男性。初診の約10年前より右足底に黒色斑があったが放置していた。黒色斑はしだいに増大してきた。初診の半年前より黒色斑の一部にびらんを生じた。前医にて悪性黒色腫と診断されDAV療法3クール, インターフェロン-β局注 (IFN-β局注) 施行された。濃淡の見られた黒色斑は青色斑となりびらんも瘢痕を残さず消失した。当科へは集学的治療目的で紹介されたが手術治療を希望しなかったためIFN-β局注を施行した。退院後のIFN-β局注での経過観察中に青色斑は消失した。現在は濃淡のある黒色斑が再燃してきている。自験例は黒色斑, 青色斑, 青色斑の消失, 黒色斑の再燃という経過を示した。悪性黒色腫の色調や性状を経過を通じて観察することができたので報告する。

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