皮膚
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色素沈着症患者に対するコウジ酸および油溶性甘草エキス配合エッセンスの使用試験
池野 宏
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2000 年 42 巻 6 号 p. 600-605

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抄録

肝斑, 日光黒子等の色素沈着症患者に対し, コウジ酸1%及び油溶性甘草エキス0.1%を含有したエッセンスの使用試験を行なった。評価にあたり, 医師による皮膚所見観察と併せて色彩色差計による皮膚明度を測定した。その結果, 有効性は「やや有効」以上で, 日光黒子で20例/22例, 肝斑で8例/8例となり, 特に症状の程度が悪かった患者に対し著しい効果が認められた。さらに本使用試験において10週未満でかなり改善している例が認められた。有効性, 患者自身の評価, 副作用の有無を総合的に考慮した有用性も, 「やや有用」以上で, 日光黒子では20例/22例, 肝斑では8例/8例となり, 非常に高いものであった。明度測定の結果においても, 「極めて有用」 群において使用前後の明度差が最も高かったことから, 本試験薬剤の色素沈着改善に対する有用性が客観的にも示された。

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