抄録
角層保水効果および角層柔軟化効果を有する, アミジノ-L-プロリン (ALP) を配合した処方の, 目尻の小じわに対する改善効果を, ALPのみを除いたプラセボと比較した。健常人女性40名の目尻に5%ALP配合処方もしくはプラセボを1日2回, 6週間塗布し, 塗布開始前と6週間後に比較検討を行った。その結果, しわの写真基準判定において, プラセボ処方群では変化が認められないのに対し, ALP配合処方群では有意な小じわの改善が認められた。またALP配合処方群のみ, 皮膚弾力性と角層水分量の有意な上昇が認められた。以上の結果より5%ALP配合処方は, 目尻の小じわの改善作用を有することが明らかとなった。(皮膚の科学, 1: 355-362, 2002)