2023 年 21 巻 2 号 p. 1-14
本稿では、JSLS2022のシンポジウム「CHILDESのこれから(Future Outlook of CHILDES)」の内容をまとめ、シンポジウムでは時間の関係上、発表されなかったCHILDESを用いた事例研究を報告する。まず、Otsuka(2022)がCHILDESに10%ほどしか収録されていないVSO言語のデータを増やすために、トンガ語を母語として獲得中の幼児の発話コーパスの作成を行っていることを紹介する。次に、Otaki(2022)がCHILDESに収録されていないVOS言語のデータをCHILDESに加えるために、カクチケル語を母語として獲得中の幼児の発話コーパスを作成し公開に向けて着手中であることを紹介する。さらに、Dansako(2022)による実際にCHILDESを用いた事例研究を紹介する。また、シンポジウムでは時間の制約により発表されなかった統語的複合動詞の獲得に関する事例研究についても紹介する。そして、CHILDESを用いた言語獲得研究がこれからも言語研究の発展に寄与する可能性を秘めていることを示す。