Studies in Language Sciences
Online ISSN : 2435-9955
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  • 萩原 大貴, 小林 春美, 安田 哲也
    2024 年 22 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2024/03/29
    公開日: 2024/04/26
    ジャーナル オープンアクセス
    電子付録

    たとえばアイスクリーム屋で客が「私の欲しいのは…」とだけ言って特定のアイスクリームへ指さしをすると、そのジェスチャーは欠落していた要素(ある特定のアイスクリーム)を補うように感じられる。本研究は、発話とともに使われるこうした直示ジェスチャーは補完的機能を持つかについて、行動実験と視線計測により調べた。結果、参加者は明らかな欠落要素がある発話「あっちゃんがムタったのは(パペットへ指さし)」では、指さしは欠落要素を補うと解釈した。一方、明らかな欠落要素は無い発話「あっちゃんが(パペットへ指さし)ムタった」では、指さしは言語化された要素を重複して示すと解釈した。共発話ジェスチャーにおいて、指さしの役割は発話中の明らかな欠落要素の存在に応じて変化することがわかった。

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