Studies in Language Sciences
Online ISSN : 2435-9955
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  • 趙 鵬群, 巽 智子
    2025 年 23 巻 1 号 p. 1-16
    発行日: 2025/03/27
    公開日: 2025/03/26
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では、日中異文化間コミュニケーションにおける話題転換の理解につながる知見をもたらすために、日本語会話と中国語会話における話題転換の判断に使われる手がかりを実験的に検証した。会話音声を聴取しながら話題転換を判断する実験を行い、先行研究で話題転換部の「手がかり」とされる多種多様な要因との関連を分析した。その結果、「質問表現」、「新情報」、「笑い」、「沈黙」の4つの要因が話題転換の判断に有意な正の影響を与えることが日中両言語に共通して見られた。また、「談話標識」は中国語会話の話題転換の判断にのみ正の影響を与え、「あいづち」は日本語会話の話題転換の判断にのみ負の影響を与える傾向が明らかになった。

  • ヴァンデルレイ・デ・リマロドリゲス ウラジミル
    2025 年 23 巻 1 号 p. 17-43
    発行日: 2025/03/27
    公開日: 2025/03/26
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では、英語を母語としない者(以下、非母語話者という)の語彙性判断データを用いて、スペルと音の関係測定が反応時間に及ぼす影響を調査した。現時点で、非母語話者に対するスペルと音の関係に関するデータはほとんど見当たらない。本研究では、スペルと音の一貫性測定と情報理論的測定の、2種類の測定法で調査をした。一貫性分析の結果、フィードバック一貫性とフィードフォワード一貫性の効果が得られ、その方向は英語母語話者を対象とした先行研究と逆であった。情報理論的測定では、有意な効果は得られなかった。これらの結果は、非ネイティブの処理において正書法の影響がより強いことを示唆し、情報理論的尺度で測定されるものについて疑問を投げかけるものである。

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