抄録
80 以上の深井戸データを用いて,狭山市・入間市の地下地質(上総層群)を検討した.飯能層は検討地域の西部にのみ発達しており,その岩相や分布などから古多摩川の扇状地堆積物と考えられる.検討地域の南西部には北西-南東方向の断層(北東側が上昇)とそれに伴う向斜が認められるが,それ以外の地域では飯能層はほぼ南北の走向で東に緩く傾斜している.仏子層は検討地域の西部ではユニット区分が可能であるが,東部ではユニットE 中の2 枚の含軽石層が鍵層となり,特に下位の含軽石層B は広範囲で認められる.含貝殻層の分布から,入間川沿いでは約2.0 Ma と約1.7 Ma に海域が推定され,後者は北西の柏原付近まで拡がっていたと推定される.