埼玉県立自然の博物館研究報告
Online ISSN : 2433-8508
Print ISSN : 1881-8528
最新号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
原著論文
  • 原田 吉樹, 柳沢 幸夫, 荒井 豊
    2025 年19 巻 p. 1-20
    発行日: 2025/03/19
    公開日: 2025/07/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では,層序と年代に問題のあった埼玉県比企丘陵東部に分布する中新統の野田層と福田層及び吉見丘陵南西部に分布する中新統の荒川層とされた泥岩層の堆積年代を確認するため,珪藻化石分析を実施した.その結果,従来中部中新統の上部と考えられてきた野田層からは,新第三紀北太平洋珪藻化石帯区分のNPD4A帯の珪藻化石が産出し,本層が中部中新統最下部の地層であることがわかった.また,福田層の試料からは,NPD4A 帯の珪藻化石が産出したが,この試料は産状から海底地すべりによる水中土石流堆積物中の泥岩岩塊(メガクラスト)に由来すると考えられる.一方,吉見丘陵南西部の荒川層とされた泥岩層から採取した試料からは,NPD4A 帯の珪藻化石のほか,これまでこの地域からは報告のなかったNPD3A 帯とNPD3B 帯の珪藻化石が産出し,この区域の泥岩層が荒川層に属することが確定するとともに,荒川層のさらに精密な堆積年代が明らかになった.以上の本研究の成果とこれまでの研究を総合すると,比企丘陵東部の野田層と福田層は,年代及び岩相上,比企丘陵西部に分布する荒川層と市ノ川層にそれぞれ含まれる.
  • 原田 吉樹, 北川 博道, 荒井 豊
    2025 年19 巻 p. 21-32
    発行日: 2025/03/19
    公開日: 2025/07/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
    パレオパラドキシアは,日本から北米大陸の太平洋側沿岸域の中新統より産出する代表的な哺乳類化石である.本稿では,東松山市化石と自然の体験館に所蔵されている埼玉県東松山市葛袋地域産のパレオパラドキシア亜科化石について報告する.埼玉県からは2015 年までに8 地点20 標本のパレオパラドキシア亜科の化石が報告されている.このうち東松山市葛袋地域からは,13 標本が報告されていた.2016 年に東松山市化石と自然の体験館が開館し,継続して化石含有層の処理が行われたことにより新たに22 標本が得られたので報告する.本稿で報告する化石には,上顎歯は第4 小臼歯,第2,第3 大臼歯が,下顎歯は第1 小臼歯,第4 小臼歯? と第2 大臼歯が含まれていた.このうち上顎第4 小臼歯,下顎第4 小臼歯と下顎第2 大臼歯は,東松山市葛袋地域における初めての報告である.葛袋地域のパレオパラドキシア亜科化石は,1 地点から報告された標本数としては世界で最も多い.これからも追加標本の産出が見込まれることから,将来的に臼歯の形態変異の研究等に最適な標本群になるであろう.
  • 半田 宏伸
    2025 年19 巻 p. 33-50
    発行日: 2025/03/19
    公開日: 2025/07/12
    研究報告書・技術報告書 フリー
    埼玉県立自然の博物館の外壁に飛来するハチ類の種構成と特徴を明らかにするため,外壁及び同地内に設置された竹筒トラップのハチ類を調査した.結果,外壁からは10 科39 種,竹筒トラップからは11 科29 種のハチ類が見られ,大半は管住性ハチ類とその寄生者だった.特にスズメバチ科,ギングチバチ科,セイボウ科が多く見られ,ハキリバチ科,クモバチ科は多様性が低かった.また,外壁と竹筒トラップで共通する種は少なく,外壁では特徴的な種構成が見られた.加えて,外壁では日当たりの良い壁面にハチ類が多く飛来する傾向が見られた.外壁は従来から管住性ハチ類の営巣場所として知られてきた木造建築物ではないが,営巣場所として利用されていると考えられる.
短報
資料
feedback
Top