抄録
除脳、L1−2間で脊髄切断した脊髄ネコを用いて左足先付近に興奮性受容野をもつ脊髄後角第五層型細胞活動(WDR細胞活動)を細胞外微小電極法により導出し、0.2%, 0.5%,1.0%ハロタンのWDR細胞活動に及ぼす影響を観察した。痛み刺激としてブラディキニン(BK)を用い、左足先を灌流する左大腿動脈投与及び反対側の右大腿動脈投与とした。BKの左右大腿動脈投与を比較した症例では,左大腿動脈投与で、13例中13例BK投与により興奮性反応を示し、右大腿動脈投与では、13例中7例で、BK投与により抑制性反応を示した。BK投与による興奮性反応に対して1.0%ハロタンで有意の減弱を、BK投与による抑制性反応に対して0.2%, 0.5%,1.0%ハロタンで有意の減弱を示した。この興奮性および抑制性反応のハロタンによる減弱は、ハロタン麻酔の脊髄レベルにおける作用機序の一つとして推測される。