抄録
急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia: AML)に対する同種造血幹細胞移植後にアデノウイルス出血性膀胱炎(hemorrhagic cystitis: HC)を発症し,外科治療により腎後性腎不全が改善した55歳男性の症例を報告する.症例はAMLに対する同種造血幹細胞移植後に慢性移植片対宿主病(graft versus host disease: GVHD)を発症し,プレドニゾロン(PSL)投与中であった.移植後117日に肉眼的血尿と凝血塊による膀胱タンポナーデ,腎後性腎不全を認め,定量polymerase chain reaction法による尿検査でアデノウイルスHCと診断した.保存的治療では改善せず,両側尿管皮膚ろう造設術により腎後性腎不全が改善し,その後PSL減量によりアデノウイルスHCは軽快した.アデノウイルスHCに対して速やかに外科治療が介入することで,AMLの移植後患者においてもHCの重症化を回避し長期生存に繋がる可能性が示唆された.