埼玉医科大学雑誌
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症例報告
全身拡散強調MRIで病勢評価し,ペムブロリズマブおよび放射線療法を含む集学的治療を行うことで完全寛解が得られた進行上部尿路上皮癌(cT4N2M0)の1例
水田 瞳美竹下 英毅 鈴木 海立花 康次郎香川 誠杉山 博紀中山 貴之矢野 晶大岡田 洋平諸角 誠人川上 理
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2022 年 48 巻 2 号 p. 79-84

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抄録
 79歳女性.左水腎症及び長径8.3 cm の左骨盤腫瘤が偶然発見され紹介受診した.尿沈渣で異形細胞を認めたが,膀胱内視鏡検査及び尿細胞診検査で異常を認めなかった.全身拡散強調MRI(DWIBS: diffusion-weighted whole body imaging with background suppression)で左骨盤腫瘍と傍大動静脈・両側総腸骨・正中仙骨リンパ節転移を認め,左尿管癌cT4N2M0と診断した.集学的治療を行い,治療効果はDWIBSでモニターする方針とした.ゲムシタビン・カルボプラチン療法による導入治療3サイクルで原発巣・リンパ節転移ともに部分奏効(PR)が得られ,7サイクルで原発巣はPRのままであったがリンパ節が完全奏効(CR)したため,左腎尿管全摘・左後腹膜リンパ節郭清術を施行した.病理学的には,原発巣の尿管外へ浸潤した部位に残存腫瘍を認めたが,郭清したリンパ節に癌を認めず,DWIBSでの可視病変は完全に切除したと考えられた.しかし術後3ヶ月のDWIBS で傍大動脈・左内腸骨リンパ節に再発を認めたため,大動脈周囲および骨盤領域に54 Gyの救済照射を施行し,引き続きペムブロリズマブを開始した.4サイクルで再発リンパ節がCRとなり,現在計26サイクルを施行し19ヶ月間CRを継続している.DWIBSによる精密な病勢モニターに基づき治療のタイミングを最適化させ,放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬とを併用することで,進行上部尿路上皮癌の予後の改善が期待される.
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2022 埼玉医科大学 医学会
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