抄録
症例は既往歴に特記事項のない 2 歳 9 か月男児.入院 1 か月前より 1 週間の周期で 2 日発熱し,その後自然解熱することを 4 回反復していた.1 日前から右膝痛および股関節痛が出現したため,紹介入院となった.家族歴として母に全身性エリテマトーデスの罹患歴があった.発熱のパターンが規則的な周期性発熱および関節痛を認めたため,周期性発熱症候群として自己炎症性疾患を主な鑑別に挙げ,その他リウマチ疾患などを考慮した各種検査を実施した.CRP も高値であったが,抗菌薬治療へはあまり反応しなかった.腹部 CT で判明した後腹膜の巨大腫瘤から,骨転移を伴う神経芽腫の診断に至った.周期性発熱症候群は,比較的近年提唱された疾患概念で,自己炎症性疾患の中で特徴的な発熱の反復を示すものである.その一方,規則的な発熱パターンを示していても自己炎症性疾患とは限らないことを示唆する症例であった.一般的な不明熱と同様に初期から腫瘍も鑑別に挙げてスクリーニング検査として胸部 X 線検査に加え腹部超音波検査を施行していれば早く診断できていた可能性がある.小児の周期性発熱はパターンが規則的であっても鑑別診断に神経芽腫を含む悪性腫瘍があることを認識する必要がある.