2003 年 1 巻 p. 218-227
本研究では,組織における違反の現状を明らかにするとともに,組織や個人の属性との関連を分析することを目的としている.サンプリングによって抽出した492人の成人男性の回答を分析した結果,組織的な違反を容認し不正をかばいあう雰囲気は全体の約1割,組織的違反を実際に経験したものは1割前後であった.違反容認の雰囲気が低かったのは大企業や公的機関であり,これらの組織に所属する回答者は違反に対する抵抗感も高かった.また年齢と,転職・転勤などの経験も違反に対する態度に影響を与えていた.