抄録
研究開発成果を社会問題の解決に結び付けることが求められる昨今,プログラム設計やマネジメントの具体的な改善が必要である.本論文では,科学・技術の需要側からのアプローチを基本方針としたJST社会技術研究開発センターの公募型研究開発プログラム「犯罪からの子どもの安全」におけるプロジェクトへのマネジメント事例を分析した.その結果,需要側の適切なアクターが研究開発の早期の段階から参画し,供給側と協働するよう促す仕掛けやマネジメントが重要であることを確認した.また,研究開発の段階よってプロジェクトに求められる機能と,それを担うアクター・ネットワークの状況を観察・評価できるマネジメントが必要であると思われた.