製品自体や使用者の使い方の問題によって,様々な製品事故が発生している.安全・安心社会の実現のためには,製品事故の低減が不可欠である.事故防止には,使用者側,提供者側,事故対応側など,様々なプレーヤーのもとに散在しているトラブル情報や暗黙知を構造的に可視化し,再利用していくための社会技術が必要であるが,そのような方法論は確立していない.
本研究では,製品安全に関わる関係者から製品安全知識を抽出し,製品安全設計と使用者への安全教育にフィードバックを行いながら,製品安全知識を社会技術化する方法論の全体像を提案する.また,具体的な製品として石油ストーブを取り上げ,提案する方法論の適用例を示す.