抄録
本研究では,過去4時点に渡って実施された都道府県単位の社会生活基本調査を用いて,外出活動特性と都市特性が,家庭・業務・乗用車の部門別エネルギー消費原単位に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする.共分散構造分析を用いて,家庭・業務・乗用車の部門別エネルギー消費原単位に影響を及ぼす要因を分析したところ,業務エネルギー消費原単位と乗用車エネルギー消費原単位の低減のためには,外出活動の時間的集約性を高めることが有効だが,外出活動の時間的集約性と都市の空間的集約性はトレードオフの関係にあり,外出活動の時間的集約性を高めると1人当たりの県内総生産が低下する傾向がみられた.