抄録
既存のライフサイクルインパクトアセスメント(LCIA)における生物多様性・生態系サービスの評価は,生物の絶滅リスクに基づく評価などが主である.したがって,ライフサイクル全体に関わる土地の改変や占有によって消失する生物多様性・生態系サービスへの影響を網羅的かつ定量的に評価するための手法構築は未だ十分検討されていない.そこで本研究では,木造住宅と鉄骨住宅に着目し,はじめにライフサイクル全体における土地の改変や建物の占有による土地利用への影響面積を推計した.次に,既存研究で示された生物多様性および生態系サービスの重要度と環境経済評価の結果を活用し,生物多様性や生態系サービスを網羅的に評価することが可能なLCIAの評価方法の構築に向けた基礎的な検討を行った.