2004 年 2 巻 p. 39-48
社会技術を実践する方法論として、公的セクターの介入が、規制によって市場を代替するのではなく、むしろ市場機能をサポートすることによって新技術の導入を促進することが有望と考えられる。本研究では、東京におけるディーゼル車から低公害自動車への転換に関して、ユーザー・自動車メーカー・燃料提供者の間のコーディネーションの失敗を解消することを目指し、公的な場における各関係者間での情報交換・意思疎通を通じた相互の行動・期待のすり合わせによって新しい技術の市場を創造しようとする試みを取り上げ、その成果と課題を分析した。