2005 年 3 巻 p. 259-268
近年の日本における交通安全分野の状況は,各関係諸機関において様々な交通事故対策を実施してきた効果により,経年的な事故死者数における減少傾向が窺える.しかし,本質的な安全性の向上を目指したとき,事故死者数の減少に隠れている事故発生件数・事故負傷者数の多さは楽観できるものではない.こうしたことから,交通事故発生の抑制を図る上で,何故に思うような事故対策を施せていないという問題点を明らかにして,改めて解決策を検討する必要性は高い.そこで本研究は,事故対策における実施体制について関係主体相互の協働・連携をキーとして,新たな方向性について検討する.