素粒子論研究
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The CKM Matrix and SU(6)×SU(2)_R Model
松岡 武夫
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2000 年 101 巻 2 号 p. B76-B81

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抄録

我々は、SU(6)×SU(2)_R模型に基づいてV_<CKM>がもつ特徴が統一・スケールにおけるゲージ群と物質場の内容と深く結び付いていることを見た。特に、大きなD^c-g^c混合が重要である事を示した。SU(6)×SU(2)_R模型では、大きなD^c-g^c混合が起こると、V_<td>に比べてV_<ub>が自然に小さくなる事が分かった。このような関係が得られるためのM^^^_dに対する条件は、以下の通りである。1.(D,D^C)-ブロック行列は、up-typeクオークの質量行列と同じである事。2.(D,g^c)-ブロック行列はゼロか、又は、(D,D^C)-ブロック行列に比べて無視できる程度に小さい事。3.<H_<d0>に比べて十分高いエネルギー・スケールにおいて、大きなD^C-g^c混合が起きる事。SU(5)GUTでは、一般には、第1の条件が成り立たないから、V_<ub>がV_<td>に比べsuppressされる事はない。第1の条件は、統一ゲージ群にSU(2)Rが含まれる事を意味する。レプトンにおける世代混合の問題については、目下検討中である。

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© 2000 著者
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