素粒子論研究
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Ia型超新星による宇宙論パラメータ決定における問題点(観測的宇宙論における諸問題,研究会報告)
戸谷 友則
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2000 年 101 巻 6 号 p. F38-F43

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抄録

Ia型超新星は絶対等級が比較的均一なことから、宇宙論パラメータを決定する際の標準光源として用いられている。最近、独立な二つのグループが、z〜0.5付近の超新星の観測から、宇宙定数がゼロでない宇宙が強く示唆されるという報告がなされた。しかし、当然のことながらこれらの解析にはいくつかの注意すぺき系統的不定性が存在する。それらの例として、・ダストによる吸収 ・重力レンズ ・超噺星自体の進化 ・K補正 ・Malmquist biasなどが考えられるが、ここでは特にダスト吸収の影響が本当に観測的にチェックできているのか、あるいはまた理論的に遠方の超新星のほうがダストの吸収量が大きいということが期待されるのかどうかを議論する。

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