素粒子論研究
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生成座標の方法の進化と課題(大振幅集団運動の微視的理論,研究会報告)
大西 直毅
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2011 年 119 巻 1 号 p. A14-A23

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抄録
生成座標の方法の発案とそこにある物理的描像はJ.A.Wheelerに寄る.出版は事情があって1953年になるが構想の主要部は1949年にすでにあり,当研究会の表題「大振幅集団運動の微視的記述」の内容を包括した最初の論文である.生成座標は「座標」とあるが,構成粒子座標などで書ける力学変数でなく,核内で独立粒子運動がよく成り立っていることが基本にある.生成座標の方法は変分原理を基にし,量子化の心配や,集団性,断熱性,大振幅などを前提にしない点,質量パラメータの算出などの悩みがない.斜交系をベースにし,対称性を破るなどで,直交化,粒子数・角運動量射影などで数値計算の高い精度や計算時間の短縮など技術的課題が多いが,テラバイト・テラフロップスの実現可能な現在その条件が整ってきたと思われる.
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© 2011 著者
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