素粒子論研究
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Coupling Constants and Mass Splitting of Baryon and Pseudoscalar Octets
高木 富士夫
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1965 年 32 巻 2 号 p. 71-85

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抄録

Broken SU(3) symmetryのもとでのbaryon octet(B)とpseudoscalar octet(P)のmass splittingとsymmetry breaking B^^-BP coupling constantsとの間の関係を調べる。§2.でsymmetry breakingのoctet enhancementを仮定した場合の結合常数の一般形を求める。それはMuraskinとGlashowが求めたものと同等であるが、質量のずれを結合常数のずれから摂動論によつて出す時、及び結合常数のずれ方の特殊な場合を論ずる時に便利である。§3.では最低次の摂動論により、BとPのmass splittingを§2.で求めた結合常数で表わす。§4.でな結合常数のずれ方の特殊な場合をいくつか現象論に論じ、F/Dを求める。1つだけありそうな場合が見付かる。§5.では、Pのwave function renormalization constant Z_3がsymmetry limitとbroken symmetryの時とで不変であるとして、結合常数のずれを質量のずれで表わす事を試みる。いくつかの仮定のもとで、あるいは最も簡単な解としてΔg_<ABγ> ∝ g^0_<ABγ> (δm_A+δm_B-εδμ\2_γ), ε>0 を得る。担しg_<ABγ>=g^0_<ABγ>+Δg_<ABγ>はbaryon A,Bとpseudoscalar meson γとの間の結合常数, g^0_<ABγ>はsymmetry limitでの結合常数即ちF couplingとD couplingの一次結合。この解を採用するならば,F/D=-0.18〜-0.36のとき観測されるBとPのmass sPlittingが説明される。

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© 1965 著者
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