1973 年 47 巻 6 号 p. 744-749
これまでに多くの人たちによって、素粒子の"ひも"モデルの力学的基礎づけがなされてきた。例えば、1次元な"ひも"が4次元空間に抜きかす2次元曲面の面積を極小にするという変分原理などが提案されている。ところで,そのときに使われる"ひも"上の1点を指定する座標X^μ(τ,σ)の時間的パラメーターτの物理的意味や、変分に対して付加する付加条件の力学的な意味が必ずしも明瞭にされていない。この論文では、相対論的弾性体理論から、直接に"ひも"や3次元的弾性体≡"こんにやく"の運動方程式を導くことにする。この方法では、使われる物理量は、最初からよく定義されているものだけであるから、"ひも"や"こんにやく"の力学的構造がはっきり解明される。