素粒子論研究
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マクロ系の量子力学と観測の理論 : 作用汎関数停留の原理
福田 礼次郎
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1988 年 78 巻 3 号 p. 70-115

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抄録

前の論文1),2),3)を発展させて,観測の理論を展開する。主な新しい点は,次の通りである。1.増巾の機構も含めて作用汎関数停留の原理にまとまることを指摘する。2.マクロ系のヒルベルト空間の構造を見る為,基底状態の波動関数等のマクロな極限での振舞いを調べる。一般のマクロ系は混合状態であることを見て,等重率の原理を議論する。3.干渉項の大きさの一般公式を得る。それは測定の精度と密接に関係している。4.マクロ変数の時間変化を一般的に議論する。マクロ変数は一般に散逸を伴う時間発展をすることを指摘する。5.拡張されたマクロ変数を定義し,モデルで説明する。

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© 1988 著者
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