素粒子論研究
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Print ISSN : 0371-1838
弦の場の理論を構成する新しい方法について
国友 浩
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1989 年 78 巻 5 号 p. 151-198

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抄録

二次元面の場の理論(conformal field theory)に基づいて,弦の場の理論を構成する新しい処法を与える。この方法は,conformal field theoryに基づいているので、light-cone型,Witten型,どちらの型の場の理論にも適用できる一般的なものであるが,ここでは具体的に,light-cone型の共変なBoson弦の場の理論の構成について議論する。そして,この処方が確かに以前与えた,HIKKOの弦の場の理論を再現することを示す。また,特に,3弦相互作用vertexに必要なghost因子が,この方法を用いると,相互作用点のghost座標の描像を,conformalな描像に引き戻すための描像変換演算子として,自然に理解できることを示す。この方法で,構成された相互作用vertexが,BRS不変性(分配法則)を持つことが改善された径路積分(コーシー積分)の方法で示される。このとき以前の方法では,不明瞭であったBRS chargeのRegge切片に対する条件α_0=1が正しく再現されることが明らかにされる。

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© 1989 著者
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