素粒子論研究
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ロケットによる銀河ハロの赤外観測計画(観測計画,Massive Astrophysical Compact Halo Objects,研究会報告)
松本 敏雄
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1995 年 91 巻 6 号 p. F54-F58

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抄録

宇宙における暗黒物質の正体についてはこれまでにさまざまな候補が上げられてきたが、最近の重力マイクロレンズの観測から銀河には0.1Mo程度の小質量星が多数存在し、これが暗黒物質のかなりを占めるのではないかと推測されている。この種の星を個々に観測することは難しいが、銀河全体を観測し、赤外線で球状に広がったハロを観測できればその存在量、分布をしることが可能である。本観測計画は低温の小質量星がその主たるエネルギーを放出している3-5μmの波長城で横向きの系外銀河(NGC4565)を観測し、広かったハロを観測しようとするものである。これにより銀河ハロ中の小質量星の密度、分布を求め、暗黒物質との関連を調べる。地上からは大気および観測公設の強い熱故射によってこの種の観測を行うことは不可能なため、256x256InSbアレーを用いた赤外線カメラをロケットに搭載し、銀河の赤外撮像を行う。

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© 1995 著者
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