素粒子論研究
Online ISSN : 2433-2895
Print ISSN : 0371-1838
非摂動くりこみ群の異なる定式化の間の関係について(量子場の理論の新しい展開,研究会報告)
住 淳一
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1995 年 92 巻 3 号 p. C15-C18

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抄録

Wilson(非摂動的)くりこみ群のcutoff scheme依存性について報告する。Wilsonくりこみ群方程式におけるcutoff schemeの変形は(Wilsonian)effective action S_Λ[φ]の汎関数空間の上での座標変換として理解することが可能である。この事から、例えば相転位に於ける重要な概念である臨界指数は計算に用いるcutoff schemeに依存しない。しかし、何らかの近似を行なった場合はcutoff schemeごとに近似に対する振舞いが異なる為に、scheme依存性が現れる。Local Potential近似に於けるcutoff scheme(特にcutoffのなめらかさ)に対する依存性は3次元Z_2スカラー理論の臨界指数v(correlation length exponent)の場合で数%程度であることが分かった。

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© 1995 著者
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