1995 年 92 巻 3 号 p. C15-C18
Wilson(非摂動的)くりこみ群のcutoff scheme依存性について報告する。Wilsonくりこみ群方程式におけるcutoff schemeの変形は(Wilsonian)effective action S_Λ[φ]の汎関数空間の上での座標変換として理解することが可能である。この事から、例えば相転位に於ける重要な概念である臨界指数は計算に用いるcutoff schemeに依存しない。しかし、何らかの近似を行なった場合はcutoff schemeごとに近似に対する振舞いが異なる為に、scheme依存性が現れる。Local Potential近似に於けるcutoff scheme(特にcutoffのなめらかさ)に対する依存性は3次元Z_2スカラー理論の臨界指数v(correlation length exponent)の場合で数%程度であることが分かった。