抄録
すでに[I]で示されたように、S^D上の量子論の基本代数にはケージ構造が内在している。D=1では、それはAharanov-Bohm型のゲージポテンシャル、D=2では単磁極子のつくるゲージポテンシャルであった。またD=4はこれがBPSTのインスタントン解であることが、McMullanとTsutsui [1]によって指摘されている。代数の表現論の結果のなかに、このようなトポロジカルに必ずしも自明でないゲージ構造が現れてくることの深い意味については今のところ自分にはよく分かっていない。ここでは今後の議論の材料として、高次元のDにおいてはこれがどうなっているのか、ごく最近分かったことを述べておこう。