測地学会誌
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南極・昭和基地における各種宇宙技術を用いた測地基準点間の取り付け測量について
金尾 政紀渋谷 和雄渡辺 和夫藤原 智池田 尚應岡野 憲太
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1995 年 41 巻 4 号 p. 357-364

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抄録

 南極・昭和基地(69.0゜S,39.5゜E)に設置された,各種宇宙技術を用いた測地基準点どうしの取り付け測量を機会をとらえ実施した.VLBI基準点(R)とSCARGPS基準点(G)の間は,古典的測量方法を使うには実際的な困難が大きすぎるので,天頂を向けたVLBIアンテナ鏡面の縁にGPSアンテナを取り付け,方位角を変えて一周波GPS相対測位を行う方法を用いた.得られた偏差ペクトルRG=(-11.69m,-74.08m,-12.01m)の決定誤差は各成分それぞれ±26cm,±25cm,±7cmであった.ドリス基準点(D)とSCARGPS基準点(G)間の取り付け測量は,二周波GPS相対測位と測距儀・経緯儀を用いた古典的測量を並用できたので,得られた偏差ベクトルDG=(-316.322m,62.323m,-73.692m)の決定誤差は各成分1cm以内であった.このようにして得られたG点におけるITRF1992系準拠のVLBI座標値とドリス座標値の不一致度はX成分が最大で12cmであった.

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