測地学会誌
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GPSデータのインバージョンから推定された1995年兵庫県南部地震の断層パラメータと応力解放パターン
趙 少栄竹本 修三
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1997 年 43 巻 2 号 p. 33-43

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抄録

 1995年兵庫県南部地震の断層パラメータがGPSデータのイソバージョンから推定された.その結果・地震断層は右横ずれで,水平変位1.3±0.2m,長さ32.8±1.Ok魚,幅14.7±1.Om,断層綴斜角84.3±1.0°,深さ14.7±0.5km,走行方向48.8±1.0° という値が得られた.これらのパラメータは,地震波データから求められた値と概ね一致する.また,得られた断層モデルは余震の分布とも調和的である.この断層モデルに基づいて,震源付近の応力解放パターソが計算され,また,断層面の東北端に顕著な応力集中がみいだされた.この応力集中はi神戸市内の被害の集中した地域,いわゆる"震災の帯"と重なり,この地域の地下に副次的な断層破壊を誘発した可能性がある.

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