測地学会誌
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日本国内VLBI実験による観測局の動きと電離層補正の影響について
高橋 幸雄小山 泰弘近藤 哲朗菓原 則幸斉藤 隆飛田 幹男福綺 順洋石原 操川原 敏雄
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1997 年 43 巻 2 号 p. 45-65

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抄録

 これまで行われてきた54個の国内VLBI実験に対して同じ条件で再解析し,ITRF93座標系での15局の位置をまとめた.また,首都圏の筑波,小金井,鹿野山及び父島,新冨,南大東島6局の位置変化を,ITRF93座標系で求めた. ITRF93速度場に対するNUVEL-Aプレート運動モデルによる各局の予測位置変化を除くことで,プレート運動モデルからの位置変化のずれを求めることができる.このずれから,隣接プレートの運動方向への位置変化と一致した動きが見つけられた.また,解析における電離層補正の有無による推定局位置の違いについての検討を行った。その結果,電離層遅延補正の有無による影響は,500kmまでは水平で最大2cm程度と,小型局の場合では他の誤差要因に比べて大きな影響とならない事が示された.日本国内のVLBI実験による電離層補正の影響について,実際のデータを用いて評価することができた.

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