2012 年 36 巻 2 号 p. 179-186
環境省が示す騒音評価マニュアルには,除外音処理を行うことが記載されており,一般に騒音測定の際には音源識別が広く行われている。音源識別は測定者の主観に基づいて行われ,結果は主観の影響を受ける。しかし,その不確かさの検証は十分に行われていない。本研究では,京都市嵐山で収録した9種類の音環境を,ヘッドホンを通して30名の被験者に提示し,各被験者による音源識別結果に基づいて,音源識別の不確かさを検討した。その結果,対象音の騒音レベルが暗騒音(LA95)より10 dB以上高いレベルでは,2%以内の標準不確かさとなることが明らかとなった。