1999 年 23 巻 3 号 p. 183-188
近年, 一般環境騒音の測定に, 短い測定時間で連続測定した時間平均音圧レベルを利用する方法が提案されている。測定時間が短い場合, 騒音レベルのサンプリング値から求めた時間平均音圧レベルの値は, 騒音レベルの指数時間重み特性の時間遅れの影響で, その定義式から求めた値とは一致しないことがある。本研究では, 騒音レベルのサンプリング値に指数時間重み特性の逆フィルタを適用し, 時間遅れの影響を除去して時間平均音圧レベルを求める手法について検討した。また, 騒音レベルが離散化された値しか得られないために, この手法により求めた時間平均音圧レベルの値が-∞dBとなる場合のあることを指摘し, その実用的な対策を提案した。