環境省は, 航空機騒音に係わる環境基準において, WECPNL (加重等価平均知覚騒音レベル) を評価尺度とした基準値とその算出方法を示している。しかし, 防衛施設庁は, 民間空港と特殊空港周辺の住民反応を比較した結果に基づいて, 環境省の方法とは異なる WECPNL の算出方法を定めている。本稿では, 複数の特殊空港周辺での測定データに基づいて, 両者の比較を試みた。その結果, 環境省の方法は, 防衛施設庁の方法と比較すると, 騒音曝露を WECPNL で3～5程度過小評価することが明らかになった。エンジン調整音が主要な音源である場合には, さらに大きな差が生じる。
