騒音制御
Online ISSN : 1883-7506
Print ISSN : 0386-8761
音の長距離伝搬に及ぼす空気の音響吸収の影響-年間の気象観測データを用いた検討-
吉久 光一岡田 恭明龍田 建次
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 28 巻 4 号 p. 256-263

詳細
抄録

本研究では, 大気の温度と湿度に依存する空気吸収による減衰の年間の変動特性を明らかにするため, 1時間間隔で観測された現実の気象データを用いたシミュレーション計算により, 空気の音響吸収による減衰を周波数ごとに求め, 種々の検討を行った。その結果, 1) 空気吸収による減衰は1年間の気象の変動に伴って大きく変化すること, 2) 夏季の空気吸収による減衰は冬季に比べて低音域と高音域で小さく, 中音域は逆に大きいこと, 3) 雨天の日の空気吸収による減衰は, 晴天の日よりも全体的には小さいが周波数によってその程度が異なること, 4) 夜間の空気吸収による減衰は昼間よりも小さいこと, などが判明した。

著者関連情報
© 社団法人 日本騒音制御工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top