2007 年 31 巻 6 号 p. 450-457
最近, 多孔質系吸音材料として, 地球環境や職場環境に優しく, リサイクル性, 耐久性のあるポリエステル繊維系が鉄道, 道路, 自動車始め広い分野で使われている。このポリエステル繊維系吸音材について, 多孔質材料の場合の設計主要素である流れ抵抗と吸音特性の関係を明らかにした。次に, この系に熱融着フィルムによる膜構造を導入し, 流れ抵抗だけに依存するのではなく, 複合的な膜振動を有効に利用した吸音メカニズムを導入することで, 500Hz~2kHzという産業機械においてニーズが高い中低周波数帯域の吸音特性を, 吸音材のスペースを拡大させることなく, 20~30%向上させることを図った。