本論文では,第137回大会(2018年9月16日)で取り上げられた共通論題「『半福祉・半就労』を考える」について,その背景を論じるとともに,4人の報告の概要を紹介する。これらの議論を通して,今日の「半福祉・半就労」の現状を把握し,あわせて今後のより豊かな施策や取り組みの展開を検討するための論点の整理を行う。
その場合,前提として,第一に「半福祉・半就労」の実態をどう捉えるのかについて3つの系譜があること,第二に対象となる生活困難者には多様で複合的な困難を抱えているケースが多いことから,その個別的な課題やニーズに応える支援が求められていること,第三は近年各地域で工夫をこらした多様な支援策が増えてきていることをあげておきたい。
そして,この共通論題は,福祉的支援と就労支援の連携のあり方に関わるアクティベーションの日本における政策展開について議論を深めることをめざすものである。また,それは社会政策研究における新たなチャレンジの領域となるであろう。