社会政策
Online ISSN : 2433-2984
Print ISSN : 1883-1850
小特集4 アジア社会政策研究の新地平をひらく
韓国福祉国家はどこへ向かっていくのか
金 成垣
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 16 巻 1 号 p. 176-189

詳細
抄録

 かつて比較福祉国家研究において韓国を取り上げるさいに、①経済成長が最優先とされ社会保障制度の発展が遅れてきたこと、②社会保障制度の発展を促す労働運動や左派勢力が権威主義的体制下で抑圧されてきたこと、③社会保障制度の役割の多くが家族によって肩代わりされてきたことが、その主な特徴として指摘されることが多かった。それらは、韓国だけでなく、先進諸国と区別されるアジア諸国・地域の共通の特徴としてしばしば強調されていた。重要なのは、少なくとも韓国に関していうと、福祉国家化に乗り出したとされる1990年代末以降、20年以上を経た現時点でみて、その3つの特徴はいずれもみられなくなっていることである。とすれば、韓国は、先進諸国の福祉国家に収斂してきているのだろうか。本報告では、韓国が収斂ではなく韓国固有の道を歩んできていること明らかにし、その韓国の経験が示すアジア諸国・地域への示唆を検討する。

著者関連情報
© 社会政策学会
前の記事 次の記事
feedback
Top