プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
2002年度春季
会議情報

3-3 マシンアップグレードプロジェクト成功要因の考察
小宮 隆行沖野 淳一
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 163-167

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抄録
筆者は、マシンアップグレードプロジェクトに参画した。このプロジェクトは、様々な厳しい制約条件の中、円滑なプロジェクト進行により、スケジュールが遅れることなく、想定どおりの性能向上を達成する、などの成功を収めた。本稿では、その成功要因を「プロジェクト管理WBS抜粋」、「このプロジェクト特有の課題と対策」という観点から考察する。プロジェクト管理WBSの観点では「スコープマネジメント」、「リスクマネジメント」、「タイムマネジメント」、「コミュニケーションマネジメント」の4つのアクティビティを抽出し考察した。それぞれ、計画段階での主要作業項目洗い出しと役割分担の明確化、リスク定量化のための計画、計画段階での精度の高いマスタースケジュール作成、解決担当者と期限の明確化による計画的な問題解決、が重要な要因であった。このプロジェクト特有の課題と対策という観点では「アプリケーション改修作業を正確に行う」ためのツール作成、「切替に伴う業務停止時間を短縮する」ための切替リハーサルの計画、「次回アップグレードに備え再利用可能な成果物を残す」ための計画的な資料整理、という3つの成功要因があった。以上の7つのポイントが全て計画段階に関わっていたことをふまえ、「プロジェクトの成功のためには、計画段階における全工程を見通した課題の洗い出しと、その課題を克服するための作業定義が重要である」ことを導き出す。
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© 2002 プロジェクトマネジメント学会
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