抄録
日本下水道事業団によるプロジェクトマネジメントの導入は、我が国の官庁組織における先駆的事例であるだけでなく、リエンジニアリングの成功事例でもある。日本下水道事業団におけるリエンジニアリング活動の動因には、地方自治体の公共投資に伴う業務量の急増があった。本稿の目的は1996年から2000年にかけて日本下水道事業団で行なわれたプロジェクトマネジメントの導入事例を通して、WBS開発の経緯とその適用について考察することである。JS標準WBSは、プロジェクトの成果物である下水処理施設から構成されるWBSと、それを完成させるのに必要な作業のWBSを組み合せたマトリクス構造をしている。マトリクスの交点がワークパッケージとなり、プロジェクトの概算費用を見積るのに用いている。