抄録
IT開発プロジェクトの「開発規模見積り」は,ソフトウェアエンジニアリングの永い歴史のなかでも未発達の分野である.それにはさまざまな背景が存在すると考えられるが,「人月」と「要員単価」という基準のみで「総開発金額」を提示してきたことが,裏目にでて値段だけの競争になっている.IT開発プロジェクトの費用には,絶対にかかる費用の部分は誰が見積ってもほとんど同じように見積られるべきである.そして,その見積りに付加価値としての品質保証やプロジェクト管理等の費用を加えて競争することが望ましい.そこで,当論文では筆者の30年間の経験等を基に正確でわかりやすい「開発規模見積り」の方法をまとめたので,ソフトウェアのフリーウェアのようにみんなで改善して確立させるために詳細をオープンにする.