抄録
プロジェクトマネジメントがプロジェクト成功のキーファクターであることはもはや常識であり,プロジェクトマネージャーの力量が成否を左右すると言われている.プロジェクトマネージャーの育成はプロジェクトマネジメントの知識体系や管理技法の習得が一般的であるが,リーダーとしての役割を理解し実践するために必要なプロジェクトマネジメント特有のリーダーシップ論については体系化が不十分である.本稿では,一般的なリーダーシップ論の定義を検証し,筆者のプロジェクトマネジメント経験に基づく実践的なリーダーシップ論を独自に体系化する.この体系を"Visionを実現させる5Sモデル"と命名し,5つのSというキーワードが現場における行動の点検と修正に役立つことを期待している.