抄録
グローバルな金融危機とそれに伴う産業界の激動に,多くの企業は戦略的な経営や業務改革の必要に迫られている.一方,ITシステムは企業戦略や改革の実現手段として,その重要性は議論の余地すらないと考えるが,そのようなシステム構築は大規模投資が必要となり,その企業の存続に関わる大規模なプロジェクトとならざるを得ない.また今日,このような大規模プロジェクトを成功に導く事ができるPMの確保や育成が大きな課題となっている.本稿では,S社における「基幹系システム構築プロジェクト」において,変化する環境の中で受託側PMとしてどのような役割を果たし,どのように次世代のPMを育て引継ぎプロジェクトを成功させたかを報告し超PMとしての1つの姿を示す.